2005年7月、彼女はゆうさんの元へやって来ました、当時は屋根にまで届きそうな、リアウイングをトランクに付け、オーヴァーフェンダーで武装した中々のお転婆さんでした。
今日までちょうど6年間、思い出に浸りながら、総括をしたいと思います。
今を遡る事30余年(実際は1977年)、その起源はアルファ6(セイ)に求める事が出来るこのV6エンジン・・・、 近年のアルファ乗り(あえてアルフィスタとは呼ばない)が聞く度にワクワクするフレーズであります。
ゆうさんのアルファ156に積まれていたV6は言わばアルファロメオ最後の純血のエンジンとなってしまいました。
シリンダー鋏角を60度とし、オールアルミ製で仕立てられ、ゆうさんと同じ2500㏄の他、3000㏄、3200㏄とグレードアップされ、最後はアルファロメオにとって最高の栄誉となるGTAにも搭載され、今はもう生産を終了してしまいました。
低回転から怒涛の・・・、言い方を替えればまるで耕うん機のようにドドドドドッと回転を上げ、アッという間にレッドゾーンに達するその迫力は、シャ~~ンという回転の軽い最近のエンジンとはどれにも似ていない、とても魅力的なエンジンでした。
また、その独特のスタイルは、当時のチェントロスティーレ(直訳するとスタイルセンター)のエース、ワルター・デ・シルヴァが手掛けたとされるデザインで、初代ジュリエッタに通ずるエッセンスで仕上げられ、今見てもため息が出るほど美しい。
6年間手元において、印象に残るのは、このスタイルとエンジンだけ、といっても過言ではないでしょう。
とはいえ、いい事ばかりではありません。
「156を得た今、アルファロメオは壊れやすいと言うのは過去の話である」
当時、多くの評論家が口を揃えて言っておられましたが、ゆうさんはこの人たちを訴えてやりたいと思います(笑)←初めて使った!
ゆうさんの所へ来たアルファは、とにかく壊れました。
雨の日に(それも豪雨)高速道路でワイパーが動かなくなった事は数回、オーバーパス(跨線橋)のてっぺんで信号待ちの際クラッチが踏めなくなった事1回、非常警告灯が消えなくなり、エンジンがかからなくなった事数回、その他、うちのアルファが悪いわけではないけれども、アルミホイールが突然割れて死にかけた事、フロントガラスが知らぬ間に割れていた事、ブレーキが壊れた事、その他には4万キロでダメになるタイミングベルトとウォーターポンプ(交換には15万円)と、おおよそ体験した事のないような故障が多発し、お金ばかりかかった記憶も拭えません。
けれど、アルファ156と過ごした6年間はとてもとても楽しい時間でした、もう一度、今度は本当のスポーツカーでアルファ乗りになりたいと思います。
アルファ156よ、本当にありがとう。